不登校の時期、僕には自分でもよくわからない行動があった。 それが、いわゆる “行く行く詐欺” だ。
前の日には「明日は行ける気がする」「行ってみようかな」と思える。 親にも「明日は行くわ」と言ってしまう。 でも、当日の朝になると体が動かない。 気持ちも重くなって、結局行けない。
そのたびに、 「なんで昨日は行けると思ったんだろう」 「また嘘ついたみたいになった」 「自分ってダメだな」 そんな気持ちが積み重なっていった。
でも今振り返ると、これは“嘘”でも“怠け”でもなく、心が必死にバランスを取ろうとしていた結果だったと思う。
1. 前の日は行ける気がするのに、当日になると行けなくなる理由
僕が経験したこの現象には、いくつかの理由がある。
① 夜は心が落ち着きやすいから
夜って、学校のことを直接感じるものが少ない。
- 先生の顔を見ない
- クラスの雰囲気を思い出さない
- 朝の準備をしなくていい
- 外が暗くて安心感がある
だから、心の緊張が少しゆるむ。
その結果、 「明日なら行けるかも」 という気持ちが自然に出てくる。
これは“希望”ではなく、 心が一時的に落ち着いているだけなんだと思う。
② 当日の朝はストレスが一気に戻ってくるから
朝になると、学校が現実に戻ってくる。
- 制服を着る
- 家を出る
- クラスに入る
- 先生に会う
- 友達の視線が気になる
こういう“学校の空気”を思い出すだけで、心が一気に緊張する。
前の日に落ち着いていた心が、 朝になるとまた不安でいっぱいになる。
だから、 「行ける気がしていた自分」と「当日の自分」が別人みたいになる。
③ 行けると言うことで安心したい気持ちがある
僕自身、前の日に「明日は行く」と言うことで、 自分の不安を少しごまかしていたところがある。
「行くって言ったから大丈夫」 「明日は変われるかもしれない」
そう思うことで、 その日の不安を軽くしようとしていた。
でも、これは悪いことじゃない。 心が自分を守るためにやっていたこと。
④ 親を安心させたい気持ちもある
親が心配しているのはわかっている。 だからこそ、 「明日は行くよ」と言うことで安心させたい気持ちもあった。
でも、当日になるとやっぱり無理。 そのギャップが苦しくて、 「また裏切った」と自分を責めてしまう。
2. “行く行く詐欺”は嘘じゃない。心のSOSだった
僕はずっと「自分は嘘つきだ」と思っていた。 でも今ならわかる。
これは嘘じゃない。 心が限界で、行きたい気持ちと行けない現実がぶつかっていただけ。
行きたい気持ちがゼロなわけじゃない。 でも、心と体がついていかない。
これは弱さじゃなくて、 心が疲れ切っているサイン。
3. 僕が“行く行く詐欺”を繰り返していた時の気持ち
- 行けると思っていた自分が恥ずかしい
- 親に申し訳ない
- 自分でも理由がわからない
- 行けない自分が嫌いになる
- でも本当は行きたい気持ちもある
- どうしたらいいかわからない
このぐちゃぐちゃした気持ちが毎日続いていた。
特に辛かったのは、 「自分でも理由がわからない」 ということ。
説明できないから、余計に苦しかった。
4. 僕が少しずつ改善できた理由
改善と言っても、劇的に変わったわけじゃない。 でも、少しずつ楽になったきっかけがある。
① “行く”と言わない日を作った
前の日に「行く」と言うのをやめてみた。 言わないことで、当日のプレッシャーが減った。
「行けたら行く」 「明日の朝の自分に任せる」
このぐらいの気持ちでいる方が、心が軽かった気がする。
② 朝のハードルを下げた
いきなり学校に行くんじゃなくて、
- とりあえず起きる
- とりあえず制服を着る
- とりあえず玄関まで行く
こういう“小さなステップ”に分けた。
全部できなくてもいい。 一つできただけで前進。学校に行けないのを恥じる必要はない。
③ 行けなかった日も自分を責めないようにした
行けなかった日は、 「今日は無理だったんだな」 と受け入れるようにした。
責めると次の日もっと行けなくなるから。僕も実際自分のことをとことん攻めるタイプだったからそれなりに時間がかかった。
5. 最後に:行けなかった自分を責めなくていい
あなたが経験していることは、 不登校の人が本当に多く経験していることです。
“行く行く詐欺”は嘘じゃない。 弱さでもない。 怠けでもない。
心が限界まで頑張ってきた証拠。
前の日に行ける気がしたのは、 あなたが本気で「変わりたい」と思っていたから。
当日行けなかったのは、 心がまだ回復途中だったから。
どっちもあなたの本音。 どっちも間違っていない。
あなたはちゃんと頑張っている。 そのことだけは忘れないでほしいです。
参考になれば幸いです。
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